SDカードの種類と違いから選び方まで

SDカードは、スマホやデジカメからドライブレコーダーに至るまであらゆることろで利用されています。いざ、利用しようとしたときに意外と種類があってどれを使ったらいいのか迷うことがあります。SDカードの表面には、暗号のように色々な記号が散りばめられ何が何だかわからないものです。買ったあとで使えなかったり本来の性能を十分に発揮できないということにならないためにSDカードの種類・違い、使える使えないものについて解説していきます。

メモリカードはサイズ・容量・スピードで異なる

様々あるメモリカードの種類を「サイズによる違い」、「容量による違い」、「転送速度による違い」でそれぞれ説明していきます。

サイズによる種類

メモリカードには、大きさの違いにより2種類に分かれます。

SDカード

SDカードは、縦が約32mm、横が約24mmの大きさです。ビデオカメラ、テレビ、パソコン、プリンター、カーナビなどで比較的大きな機器で使用されています。

microSDカード(まいくろえすでぃー)

microSDカードは、縦が約15m、横が約11mmの大きさでSDカードの4分の1ほどの大きさとなっています。スマホ、デジカメ、ドライブレコーダーで使用されています。

miniSD(みにえすでぃー)カードもありますが、現在ではほとんど使われていません。

SDカードとmicroSDカードは、大きさが異なるだけで違いはありません。その証拠に、アダプタを利用すれば、microSDをSDカードとして使用することができます。

容量による種類

SDカード・microSDカードともに保存容量により4種類の容量帯に分けられ、ロゴにより識別できるようになっています。

保存容量が2GBまでのものを「SD」、4GB〜32GBまでのものを「SDHC」、64GB〜2TBのものを「SDXC」といいます。さらにその上の容量には「SDUC」があります。

実際には1TB(テラバイト)の「SDXC」が現状最大容量となっていますので、4TB(テラバイト)以上の「SDUC」は、まだまだ現実的ではありません。

SD Secure Digital) 〜2GBまで
SDHC High Capacity) 4GB〜32GB
SDXC (eXtended Capacity) 64GB〜2TB
SDUC Ultra Capacity) 4TB〜128TB
SD SDHC SDXC
1GB 2GB 4GB 8GB 16GB 32GB 64GB 128GB 256GB 512GB 1TB 2TB

メモリカードのロゴはこんな感じです

使用可能機器

デジカメやスマホなどのデバイスにより使用できるSDカードのメモリ容量の上限が異なります。メモリ容量の上限以上のSDカードを使用することはできません。

どういうことかというと、例えばSDHC対応のデジカメがあったとします。SDHC対応のデジカメは、容量の上限がSDHCまでのSDカードが利用可能となります。つまり、「SD」、「SDHC」の2種類が使えることになります。「SDXC」は使えません。

デバイスにメモリ容量のロゴが表示されていればひと目で確認できますが、表示がないものがほとんどです。その場合は、取扱説明書で確認をすることになります。

デバイスとSDカードとの対応可能な組み合わせは次の通りです。

転送スピードによる種類

動画の録画では、連続して確実に記録し続けなければなりません。SDカードに使用されているメモリは、一般的に書き込み速度にばらつきがあり確実に記録するには不安定な面がありました。そこで、確実にビデオ録画ができるように設けられた規定がスピードクラスです。スピードクラスは、録画の際に必要な最低転送速度を保証する規格です。

スピードクラスは3種類あり①から②へ、②から③へと拡張されていきました。

  1. SDスピードクラス
  2. UHSスピードクラス
  3. ビデオスピードクラス

最低転送速度は数字で表記されています。単位は、MB/秒で、1秒間に転送できる単位をMB(メガバイト)で表わされます。

今後は、③ビデオスピードクラスへ統合されていくことになります。

SDスピードクラス

初代スピードクラスであり、クラス2、4,6、10とあります。最低転送速度は、クラス2が、2MB/秒、クラス4が4MB/秒、クラス6が6MB/秒、クラス10が10MB/秒です。ロゴは、Cの中の数字で表わされます。

クラス ロゴ 最低転送速度
CLASS2 2MB/秒
CLASS4 4MB/秒
CLASS6 6MB/秒
CLASS10 10MB/秒

UHSスピードクラス

UHSとは、SDHC/SDXCで用いられる高速な接続・通信仕様のことです。Ultra High Speed(ウルトラ・ハイ・スピード)の略です。

UHSの規格

UHSの規格には、UHS-Ⅰ、UHS-Ⅱ、UHS-Ⅲの3種類があり、理論値の最大速度は次のようになっています。

  • UHS-Ⅰ:理論値最大104MB/秒
  • UHS-Ⅱ:理論値最大312MB/秒
  • UHS-Ⅲ:理論値最大624MB/秒
UHSスピードクラス

UHS対応製品のSDHC/SDXCカード用に開発された最低転送速度の保証をするのが、「UHSスピードクラス」です。

「UHSスピードクラス」には、「UHSスピードクラス1」と「UHSスピードクラス3」の2種類があります。Uの中の数字で最低保証速度を表します。

  • UHSスピードクラス1:10MB/秒
  • UHSスピードクラス3:30MB/秒

SDカードとデバイス(デジカメ・テレビなど)の両方が対応して初めてその実力を発揮します。UHSに対応していない機器で使用した場合は、従来の「SDスピードクラス」(CLASS10が多い)が適応されます。

ビデオスピードクラス

ビデオという名前の通り、動画撮影のための規格として策定されたのが、「ビデオスピードクラス」です。4Kや8Kといった高解像度を視野に5段階の最低転送速度に分かれています。

高画質のビデオ撮影やマルチファイル記録に対応し、コマ落ちなく安定した撮影に対応しています。動画撮影をする場合は、ビデオスピードクラスが基準になります。

  • V6:6MB/秒
  • V10:10MB/秒
  • V30:30MB/秒
  • V60:60MB/秒
  • V90:90MB/秒

スピードクラスの一覧

フォーマットは不要

SDメモリカードは、最適な形でファオーマットされて出荷されていますので、買ってそのまま使用することが出来ます

フォーマットする必要はありません。

フォーマットが必要な場合は、専用の「メモリカードフォーマッター」を使用することが推奨されています。WindowsやMacなどの標準で装備されている機能を使用してフォーマットをしてしまうと、最適なパフォーマンスを得られなくなる可能性があります。

SDカードには、セキュリティ機能のための「保護領域」というものがあります。「メモリカードフォーマッター」を使用すれば、この「保護領域」をファーマットすることはありません。

SDメモリカードフォーマッター (Windows/Mac用)

保存容量の目安

容量 静止画(JPEGフォーマット) 動画(MPEG-4)
1,000万画素
1枚あたり約3.1MB
1,800万画素
1枚あたり約6.1MB
4K動画
(3840✕2160)
フルHD動画
(1920✕1080)
6Mbps
(1440✕1080)
64GB 13,100枚 7,280枚 160分 480分 1,440分
32GB 6,560枚3,640枚80分240分720分
16GB3,280枚1,820枚40分120分360分
8GB1,640枚910枚20分60分180分
4GB820枚460枚10分30分90分
2GB410枚220枚5分15分45分

選ぶ際のポイント

上記の内容を踏まえ実際に購入する際には、悩む部分も出てくると思います。

容量を選ぶ

まず、どの容量が使用できるかを確認しなければなりません(SD、SDHC、SDXC)。取扱説明書などで確認し、使えるメモリカードの容量を確認します。

転送スピードを選ぶ

CLASS10とUHSスピードクラス1はともに10MB/sの最低転送速度があります。どちらも同じなのかという疑問が湧きます。連写性能の比較実験でUHSスピードクラス1のほうが優れた性能であることが証明されています。

SDスピードクラス < UHSスピードクラス < ビデオスピードクラス

寿命も考慮しておく

例えばドライブレコーダーで使用する場合を考えるとわかりやすいと思いますが、映像を常に保存していくと、そのうちに容量がいっぱいになります。すると、古い順に上書きされていきます。この書き換えを何度も何度も行っていくとそのうちに使用できなくなります。

フラッシュメモリの種類

SDカードは、NAND型フラッシュメモリといわれるもので、2つに分類されます。

  • TLC(Triple Level Cell)
  • MLC(Multi Level Cell)

書き換え回数は、TLCで約1,000回、MLCは約10,000回できます。

SDカードは、消耗品ですので、壊れてしまうことを前提に、重要なデータはどこかに退避し、怪しいと感じたらすぐに買い換えることを考慮して使用することも大切になってきます。