
引越などでインターネット回線を新しく設置した場合、真っ先にWiFiを使えるようにしたいですよね。スマホの通信量が気になってしまいます。外出先では遠慮しているスマホの使用も、家では気兼ねなくネットを楽しみたいものです。
しかし、Wi-Fiに接続するときに、Wi-Fiのネットワークに「F660A-xxx−A」や「F660A-xxx−G」といった末尾が異なる名称が表示されどちらを使ったらいいのか迷ってしまったことはあるのではないでしょうか。
どちらに繋いでも使うことができるので、どちらか適当に繋いでしまっている方も多いことでしょう。繋ぐ先を間違えるとWi-Fiの能力を最大限に発揮出来ません。
ここでは、何を表していて、どう違うのか、どちらにつなげたらいいのかを解説していきます。
Wi-Fiについて
まずは、そもそもWi-Fiとは、というところから始めたいと思います。
Wi-Fiとは
Wi-Fiってなに?
業界団体「Wi-Fi Alliance」により認められた製品のブランド名が「Wi-Fi」です。語源は、「Wireless Fidelity」からきています。IEEE802.11規格に準拠し、相互接続可能な製品に与えられた名前です。
一般的には「Wi-Fi」といえば無線LANの意味で使われています。
「わいふぁい」と読みます。
Wi-Fiは4G/LTEとはどう違うの?
スマホを電話会社と契約して使えるのが4G/LTEです。家でインターネットをするためにプロバイダ契約した回線をルーターを使って無線で繋げて使うのがWi-Fiです。ルーターは、プロバイダから無料で貸出されます。
家ではこのようなもので、Wi-Fiを利用しているかと思います。

Wi-Fiを使う必要はあるの?
ドコモ、au、ソフトバンクといった電話会社で契約した回線は、1ヶ月に使用できる通信量の上限がある方が多いと思います。Wi-Fiを使用するとインターネット会社の通信を使用するので、スマホの通信量を節約できます。
Wi-Fiの規格について
「IEEE802.11」」の規格に準拠していなければWi-Fiに認定されません。
「IEEE802.11」」は、さらに、規格が細分化されていて「IEEE802.11b/g/n」のように表します。
IEEE802.11とは
「IEEE」は、アメリカの団体で決められた規格を表します。「あい とりぷる いー」と読みます。
「IEEE802」は、LAN(ローカルエリアネットワーク)の規格を表します。
「IEEE802.11」は、無線LANの規格を表します。「アイ・トリプルイー・ハチマルニ・テン・イチイチ」と読みます。
無線LANの通信規格の種類
「IEEE802.11」の後ろにあるアルファベットで区別されます。
次の6つの規格があります。
- 第1世代:11b(イレブンビー)
- 第2世代:11g(イレブンジー)
- 第3世代:11a(イレブンエー)
- 第4世代:11n(イレブンエヌ)
- 第5世代:11ac(イレブンエーシー)
- 第6世代:11ax(イレブンエーエックス)対応機器はまだほとんどない
また名称をわかりやすくするため、第4世代以降に次のような名称が付けられています。
- 「Wi-Fi 4」:正式名はIEEE802.11n
- 「Wi-Fi 5」:正式名はIEEE802.11ac
- 「Wi-Fi 6」:正式名はIEEE802.11ax
周波数帯は次の2種類です。
- 5GHz帯
- 2.4GHz帯
周波数と波長
周波数は1秒間に繰り返す波の数
周波数は、1秒間に波が何回繰り返されたのかを表し、単位にはHz(ヘルツ)を使用します。
2.4GHzであれば、1秒間に2,400,000,000回です。
波長は1回の波の長さ
波長は、周波数1つの波の長さを表します。
周波数と波長の関係
周波数が低い = 波長が長い
周波数が高い = 波長が短い
ここまでのまとめ一覧
規格 | 周波数帯 | 最大通信速度 | 略称 |
---|---|---|---|
IEEE802.11b | 2.4GHz | 11Mbps | |
IEEE802.11g | 2.4GHz | 54Mbps | |
IEEE802.11a | 5GHz | 54Mbps | |
IEEE802.11n | 2.4GHz | 600Mbps | Wi-Fi 4 |
5GHz | |||
IEEE802.11ac | 5GHz | 6.9Gbps | Wi-Fi 5 |
IEEE802.11ax | 2.4GHz | 9.6Gbps | Wi-Fi 6 |
5GHz |
「A」と「G」どちらに繋いだらいい?
Wi-Fiについて上で説明しましたが、じゃあ結局、どれにつないだらいいのでしょうか。
「A」と「G」は何を表しているのか
一覧を確認する
スマホのWi-FiをONにすると一覧にたくさん候補が出てきます。WiFiの周波数帯域により「A」や「G」で分かれています。NURO光であれば、F660A-xxx−A」や「F660A-xxx−G」、Buffaloであれば、「Buffalo-A-xxxx」、「Buffalo-G-xxxx」といった具合に表示されます。
この「A」や「G」は周波数帯を表しています。
<NURO光>
- F660A-xxx−A:5GHzの周波数帯域
- F660A-xxx−G:2.4GHzの周波数帯域
<Buffalo>
- Buffalo-A-xxxx:5GHzの周波数帯域
- Buffalo-G-xxxx:2.4GHzの周波数帯域
<NEC>
- aterm-xxxx-a:5GHzの周波数帯域
- aterm-xxxx-g:2.4GHzの周波数帯域
周波数帯域の特徴
電波は、金属やコンクリートなどは通りにくく、反射したり、回折したりします。
回折は、障害物を回り込んで伝わっていくことで、波長が短い(周波数が高い)ほど光の性質に近づき直進していき、波長が長い(周波数が短い)ほど、回折しやすく障害物を回り込みやすくなります。
また、電子レンジやBluetoothの周波数帯は2.4GHzで同時に使用すると電波干渉しやすくなります。
- 速度が早い
- 干渉しにくいので安定している
- 障害物に弱い ← デメリット
- 障害物に強い
- 速度が遅い ← デメリット
- 干渉しやすい ← デメリット
電子レンジなどとの干渉、マンションなど隣の部屋からの干渉
電波の干渉とは、電波と電波がぶつかって通信が遅くなったり、切れてしまったりすることです。
結局どちらを使用すればよいのか
まずは5GHz帯の「A」に繋いで様子をみます。
問題なければ、そのまま5GHz帯の「A」を使用するのがいいでしょう。
モデムの場所により電波が不安定であるならば、2.4GHz帯の「G」に繋いで使用しましょう。
ネットテレビを見るなら5GHz帯の「A」で
5GHz帯であれば、電波干渉が防げ、通信速度も早く安定性があるので、配線サービスなどに適していると言われています。